憲法・教育

高校生に希望ある未来を!

高校を出ると、もう社会人として「平和的な国家および社会の形成者」(教育基本法)という自覚が求められます。憲法のあり方が議論される中で、未来の主権者である高校生は、憲法や今の社会をどう見ているのでしょうか。私たちは、二〇〇四年九月、全国の高校生九千人(京都では六七二人)を対象に「高校生憲法意識調査」を実施しました。その中からいくつか紹介します。

高校生は平和がすき!

「憲法九条を変えないほうがよい」と考える生徒は、「変えるほうがよい」という生徒の四倍以上。また「改正」に賛成とする高校生でも、他の設問を見ると、武力で国際紛争を解決することを是認はしていません。ここでは多くの高校生の平和・非暴力の意思が読み取れます。同時に「わからない」という回答も少なくありません。その点からも高校生が社会的自立を果たすうえで、事実を知り、憲法を学ぶことはとても大きな意味をもつのではないでしょうか。

二十一世紀を希望ある世紀に

Q あなたは二一世紀の日本がどのような社会であってほしいと思いますか?あるいはしたいと思いますか?

○ まず、戦争に参加しないこと。もちろん、核兵器はもっていなくても、もってる国にもすぐ廃絶するよう訴える。そして、今の憲法を変えていないこと。
○ 国民が政治をはじめ、すべてのことに関心をもてたらいいと思う。女性も負担なく働けるような働く場の充実。
○ もっと環境のことを考えられる社会であってほしい。
○ 高卒でも仕事がたくさんあってほしい。自分のやりたい仕事に就きたい。
○ 一人ひとりにちゃんとした生活が保障されてほしい。自由な社会になってほしい。


多くの高校生が卒業後の進路をはじめとして、戦争、自然環境、保護者の経済的支えについての不安をもっています。これは憲法の理念と九条、生存権、就学権、勤労権に直結する不安です。

子どもたちのもつ社会的な不安や願いをどのように解決していけばいいのでしょうか。「憲法が国民に保障する自由および権利は国民の不断の努力によって、これを保持」(憲法一二条)することにあるように、その答えは、子どもたちを真ん中において、父母や教職員、地域の住民などが連帯共同してつくりだす以外にはありません。そのためにも、子どもたちの声に耳を傾けること、そして平和や人権や社会のあり方、生き方についてともに考える姿勢が重要です。
保護者の声1

(昨年のアンケートハガキから)

○入学式で新入生が何度も立ったり座ったりさせられるのに驚いた。誰のための入学式なのか。せっかく公立高校に合格したのに、制服が高価なのは残念、ネクタイは不要だ。
〔嵯峨野高校〕
○とても親切で暖かい雰囲気でした。しっかりした目標を持ち、わかりやすく説明をしてくださいました。親も学校に協力を惜しみません。
〔北稜高校〕
○多くの課題を抱えていますが、何よりも「命の大切さ」を訴えてほしい。若年者の犯罪のニュースを耳にするたび、とても悲しくなります。
〔西城陽高校〕

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